クラシックカー

クラシックカーのおもしろさ

2021/03/04

「クラシックカー」と言っても公式な定義はなく人それぞれ思っている年代が違います。

私個人的な感覚では戦前がヴィンテージカー、60 年代/ 70 年代がクラシックカー、80 年代/ 90 年代がネオクラシックカー、2000 年以降は高年式/現行車って感じです。

当社は主にクラシックカーやクラシックカーのパーツをメインに取り扱っております、ってことはメインは 1960 年代、1970 年代です。

フェラーリのモデルで例えると 250/275/330/365 系のフロント V12 エンジン搭載車、Dino 206/246GT、Dino 308GT4、308GTB/GTS、365BB/512BB 等です、まぁ簡単に言うと「キャブ車」ですね。

あくまでも「メイン」がこれらキャブ車になりますが、当然のことながらインジェクション車の「ネオクラシックカー」のパーツも在庫ございますし、海外からも定期的に取り寄せております。

正直「苦手」なのは 2000 年代の個人的には高年式/現行車と呼んでいる F430、458 イタリア、カリフォルニア、612、599、F12 等です・・・これらのパーツの多くは国内定価が安く(というかリーズナブル)設定されている為、イタリアから取り寄せると高くついてしまう場合があります。結局当社も国内の正規ディーラーさん頼み的な部分もあるので正直この辺りの車種は正規ディーラーさんにお任せしております。

パーツによっては外販禁止になっている物もありますので、なおさら正規ディーラーさんでしか対応できない部分もありますので。

 

当社がどうしてクラシックカーをメインにしているかというと・・・単純にその年代がスキだからです(笑)

現代のモデルの個々のパーツが「美しい」と私は感じることがないです・・・製造メーカーなら当然ですが出来る限りコストを抑えた材料を使用し効率よく製造していますよね。

しかし 1960 年代や 1970 年代はいちいち凝った作りですし、デザインも素晴らしい、そのまま飾っておいても「美しい」と思ってしまいます。

カーボンよりもスチールや真鍮、アルミ素材に魅力を感じてしまいます(変態)

そんなお金が掛かったパーツが組み込まれたクラシックカーは正直エンジン始動して発進するまでにいくつかの「儀式」が必要になります。

エンジンキーを回してフューエルポンプが「カチカチカチカチ」とガソリンを供給する音を確認してエンジンを始動、しばらく暖気をしてようやく発進することが出来ます。

そう、面倒なんですクラシックカーに乗るのって。

でもその儀式のお陰で今日のクルマの調子が分かったりもします。

走ればガチャガチャ、シャーンって金属音がして、マフラーの音で話している声が聞こえなかったり、しばらくはゆっくりと丁寧にギアチャンジをする必要があったり・・・でもこれが車との一体感を感じるんですよね。

 

今日も 1979 年のフィアット 900T をベースにアバルト仕様にした「アバルト ミニバス」のオイル交換をしました。

オイルはもちろんクラシックカー専用オイル「AGIP Novecento」、エンジンオイルは 20W-50、ミッションオイルは 85W-140 を使用しました。

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画像上側のボルトがオイルを注入するフィラーボルト、下側はオイルを抜くドレンボルトです。

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まずはドレンボルトを緩めると勢いよく「ジャ~」と古いオイルが抜けてきます。

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そして抜き終わったら今度は注射器のような道具を使って新しいオイルを注入します。

とにかく溢れ出てくるまで入れます。

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溢れるまで注入したら OK、綺麗にしたフィラーボルトとドレンボルトをしっかりと締めて終了です。

エンジンオイルは画像撮り忘れました・・・がオイルパンのドレンボルトを緩めれば古いオイルが出てきます。

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当然のことながら診断テスターなんか不要です。あとは実際に乗ってみて耳や鼻や体でクルマの状態を感じます。

今話題の AI ではアナログなクラシックカーは診断出来ませんし直せません、絶対に人の手と感覚が必要なんです。

このアバルトはイタリアから輸入しましたが訳あってエンジンを組み直しました。

エンジンも完成してここ数日で 150km 位テスト走行をしていますがエンジンは本当に快調!!以前とは比べ物にならないくらいです。

ミッションオイル入れてからも明らかにシフトチャンジのフィーリングは良くなりました。

現代のクルマと比較しても明らかにスピードは遅いですが、やっぱりクラシックカーっていいです(笑)自分でクルマを動かしてるって感じます。

色々な人の手を借りて今でも走り続けるクラシックカー!!電気自動車なんかに負けるもんか!!