2011/09/05
8月に起こった事件のお話です・・・
イタリアの夏休みが迫った7月下旬、お客様からフェラーリ F430 スクーデリアのフロントガラスをご注文頂きました。
通常の発注では発送が9月になってしまいますが、今回はイタリア側に話をしてなんとか現地イタリア側が夏休みに入る前日に出荷が出来ました。
週明けの火曜日頃には日本到着になる予定でしたが、名古屋の通関時に問題が発覚!!
某大手運送会社から連絡があり、「2個口でお預かりしたお荷物ですが1個しか到着していません」と・・・
初めはフロントガラスは比較的大きな荷物になるので少し遅れて到着するのかもと楽観的に思っていましたが、実はこれが大きな間違いでした・・・
翌日再度運送会社のカスタマーセンターから連絡があり、「運送伝票は個数2になっていますが、お預かりは1個のみのようです」と・・・
いやいや、そんなことはありません、フロントガラスの木箱に全て収まるだけの商品を購入した訳ではないので間違いなく2個口のはずです。
しかし運送会社の記録では集荷は2になっていても、営業所から先の記録では個数1になっているようです。
その時点で「もしかして紛失したのか?」と思い始めていました。
数時間後には運送会社からの電話で「紛失した可能性もあります」と伝えられましたが、思わず「こんな大きな荷物が普通紛失しますか?」と疑ってしまいました。
イタリアに確認をしたくても既に休みに入っており会社自体と連絡が取れません・・・困りました(汗)
とりあえずお客様には今回の件を説明させて頂き少しお時間を頂けるようにお話をさせて頂きました。
日本でもお盆休みが近づいており、私の頭の中では代替えとしてどの国から再度入手し直すかの計画も立て始めていました。
タイムリミットはお盆休み前です、それまでには判断をし次の行動に移る必要がありました。
数日かけて運送会社の担当者にはイタリア側に何度も連絡をしてもらい紛失したフロントガラスの調査をお願いしました。
しかしなかなか良い情報が入らず、何の進展もないまま数日が経過・・・
既に代替品の準備は整っており、いつでも「GO」サインを出せば出荷が出来る状態でした。
自分の中で設定したタイミリミット当日、夜には代替品の発送依頼をしなくてはいけません・・・
するとその日の午後に運送会社の担当者から連絡があり「紛失したと思われる荷物がイタリアで見つかりました!!」と、しかしまだ安心は出来ません。
慎重に中身を確認してもらい、ガラスに付いていた品番を確認してもらい、初めて当社宛の荷物と判断が出来ました。
話によると、イタリア側の夏休み前日に、当初の連絡通り荷物は2個口で集荷されたのですが、イタリアの空港に行くまでのどこかの時点で運送伝票が木箱から剥がれ落ちてしまい、どこ行きの荷物か分からなくなってしまったそうです。
通常木箱にはマジックで当社の住所などが書かれている場合が多いのですが、運悪くその木箱には住所が書かれておらず全くどこの誰宛か分からない状態で数日保管されていたそうです。
その後、木箱が開封され、中身を確認したところ「FERRARI」のマークが入った品番のステッカーが貼られていたのを見て、現地のドライバーが一旦マラネロのフェラーリ本社へ届けたそうです。
しかしフェラーリ本社でも出荷の記録がなかった為、再度ドライバーが営業所に持ち帰った時に、日本からフェラーリのガラスが紛失したとの連絡があり、そのガラスがその紛失した物ではないか?となった訳です。
年間航空貨物取扱量が 440万トンもある運送会社の中で紛失すると探すのも一苦労です・・・その為にも徹底した管理が必要ですが実際にいくら全てが IT化されていても、今回の場合のように最後は人間の目で見て探すしかない時もあります。
幸いにもお盆明け直ぐにガラスは無事到着し、ガラス自体にダメージもなかったので一安心しました。